3/20 椿屋四重奏2025 "椿屋酔夢譚”
@豊洲PIT
セトリ
1.ぬけがら
2.終列車
3.群青
4.舌足らず
5.硝子玉
6.LOVER
7.I SHADOW
8.いばらのみち
9.LOVE 2 HATE
10.シンデレラ
11.アンブレラ
12.紫陽花
13.NIGHTLIFE
14.Red Blues
15.CRAZY ABOUT YOU
16.マテリアル
17.螺旋階段
18.恋わずらい
19.幻惑
20.空中分解
21.不時着
EN
22.小春日和
23.君無しじゃいられない
椿屋四重奏初参加の感想
高校生の頃辺りに"手つかずの世界"を勧められてからふんわりと聴いていた椿屋四重奏ですが、この度ライブをされるとの事でせっかくの機会だし……と参加してきました
会場は初めての豊洲PIT。豊洲駅から豊洲公園を抜けながら向かいましたがよい春の空気感を感じながら東京湾(東京湾……?)を横目にすんなりと会場へ
丁度開場時間の16時頃に着きましたが、列形成もしっかりなされていて開場アナウンスとほぼ同時に入場開始でスムーズでした。非常に……(見ていますか、某バンド運営)
整番呼ばれて会場入りするもみっちり埋まっていて凄かったです、普段の現場では見ない光景……ステージがもうほぼ見えなくて、初めて千葉ルックでスタンディングライブを経験した日の事を思い出しました
どうやら豊洲PITのキャパは3000人程で、都内でも一番広いライブハウスだそう。凄いな~……この規模のライブハウスがみちみちになるの……
開演は5分ほど押しだったか、ほぼ定刻。素晴らしい……5分ほどなんか可愛いもんです
始まってからは会場の熱量凄い! に尽きる。冒頭MCでも「怨霊を成仏させに来ました」というような事を仰られておりましたが、わたしが聴き始めた頃には既に解散されていたのでリアルタイムで追っていた方達にとってはそうだよな……としみじみしてしまった
わたしは繰り返し"薔薇とダイヤモンド" "TOKYO CITY RHAPSODY" "孤独のカンパネラを鳴らせ" "BEST MATERIALS"を聴いていたので、薔薇とダイヤモンド以前のアルバム曲は存じておらず知らない曲も多く(半々くらいか?)新鮮というか、その分知っている曲が演奏されるとワッ! となりました。特にシンデレラ→アンブレラ→紫陽花の流れがあまりにもこんなん初参加で聴いていいんか!? となるくらいに……
タイトルと曲が一致していないものも多く、こんなふんわり履修が参加して良かったんだろうかと思いましたが楽しく、今になってもう少し噛み締めてみてもいいなとなっています
椿屋四重奏の曲は確かに色気のある暗くて重い曲が多いかもしれない、けれど芯にあるのは恋愛における恋をする / 恋をされる過程の執着や高揚感等の特有の気持ちの在り方なのかなと思いました
そこに色気のある歌い方が乗って更に重くて執着心が強い曲に聴こえるのかもしれない、そんな感想を持ったライブ
もちろん全部が全部そういう曲ではなく、CRAZY~等のかわいらしい曲もあるし それでも椿屋四重奏に対してわたしが持つイメージとかそういうのは"色気と恋"なんだろうな
MCでは過小評価されてきたバンド、と仰られていましたがそれでも演者含めた皆が椿屋四重奏を愛しているんだという事が感ぜられて、バンドを追っている身としてはやはり演者がその所属するバンドを愛している事が一番事実として嬉しいよね、と思いました
過小評価されてないよ、今日のライブだってこの3000人のキャパが即完売だったって よくチケット取れたな……
ところでわたしが椿屋四重奏で一番好きな曲はLOOK AROUNDなのですが……(曲の好みが分かりやすい)
こんな風にまた、もしかしたら再結成してライブしてくれるという希望があるならなっちゃおうかな、LOOK AROUNDの亡霊に……
偉すぎるバンドなので各種サブスクやYouTubeにまで本日のセトリをあげてくれています! 偉すぎる(見ていますか? 某バンド運営……)
YouTube
よい春の日に小春日和まで聴けて大満足でした。またお会いできる機会があればどうぞよろしくお願いいたします
@豊洲PIT
セトリ
1.ぬけがら
2.終列車
3.群青
4.舌足らず
5.硝子玉
6.LOVER
7.I SHADOW
8.いばらのみち
9.LOVE 2 HATE
10.シンデレラ
11.アンブレラ
12.紫陽花
13.NIGHTLIFE
14.Red Blues
15.CRAZY ABOUT YOU
16.マテリアル
17.螺旋階段
18.恋わずらい
19.幻惑
20.空中分解
21.不時着
EN
22.小春日和
23.君無しじゃいられない
椿屋四重奏初参加の感想
高校生の頃辺りに"手つかずの世界"を勧められてからふんわりと聴いていた椿屋四重奏ですが、この度ライブをされるとの事でせっかくの機会だし……と参加してきました
会場は初めての豊洲PIT。豊洲駅から豊洲公園を抜けながら向かいましたがよい春の空気感を感じながら東京湾(東京湾……?)を横目にすんなりと会場へ
丁度開場時間の16時頃に着きましたが、列形成もしっかりなされていて開場アナウンスとほぼ同時に入場開始でスムーズでした。非常に……(見ていますか、某バンド運営)
整番呼ばれて会場入りするもみっちり埋まっていて凄かったです、普段の現場では見ない光景……ステージがもうほぼ見えなくて、初めて千葉ルックでスタンディングライブを経験した日の事を思い出しました
どうやら豊洲PITのキャパは3000人程で、都内でも一番広いライブハウスだそう。凄いな~……この規模のライブハウスがみちみちになるの……
開演は5分ほど押しだったか、ほぼ定刻。素晴らしい……5分ほどなんか可愛いもんです
始まってからは会場の熱量凄い! に尽きる。冒頭MCでも「怨霊を成仏させに来ました」というような事を仰られておりましたが、わたしが聴き始めた頃には既に解散されていたのでリアルタイムで追っていた方達にとってはそうだよな……としみじみしてしまった
わたしは繰り返し"薔薇とダイヤモンド" "TOKYO CITY RHAPSODY" "孤独のカンパネラを鳴らせ" "BEST MATERIALS"を聴いていたので、薔薇とダイヤモンド以前のアルバム曲は存じておらず知らない曲も多く(半々くらいか?)新鮮というか、その分知っている曲が演奏されるとワッ! となりました。特にシンデレラ→アンブレラ→紫陽花の流れがあまりにもこんなん初参加で聴いていいんか!? となるくらいに……
タイトルと曲が一致していないものも多く、こんなふんわり履修が参加して良かったんだろうかと思いましたが楽しく、今になってもう少し噛み締めてみてもいいなとなっています
椿屋四重奏の曲は確かに色気のある暗くて重い曲が多いかもしれない、けれど芯にあるのは恋愛における恋をする / 恋をされる過程の執着や高揚感等の特有の気持ちの在り方なのかなと思いました
そこに色気のある歌い方が乗って更に重くて執着心が強い曲に聴こえるのかもしれない、そんな感想を持ったライブ
もちろん全部が全部そういう曲ではなく、CRAZY~等のかわいらしい曲もあるし それでも椿屋四重奏に対してわたしが持つイメージとかそういうのは"色気と恋"なんだろうな
MCでは過小評価されてきたバンド、と仰られていましたがそれでも演者含めた皆が椿屋四重奏を愛しているんだという事が感ぜられて、バンドを追っている身としてはやはり演者がその所属するバンドを愛している事が一番事実として嬉しいよね、と思いました
過小評価されてないよ、今日のライブだってこの3000人のキャパが即完売だったって よくチケット取れたな……
ところでわたしが椿屋四重奏で一番好きな曲はLOOK AROUNDなのですが……(曲の好みが分かりやすい)
こんな風にまた、もしかしたら再結成してライブしてくれるという希望があるならなっちゃおうかな、LOOK AROUNDの亡霊に……
偉すぎるバンドなので各種サブスクやYouTubeにまで本日のセトリをあげてくれています! 偉すぎる(見ていますか? 某バンド運営……)
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よい春の日に小春日和まで聴けて大満足でした。またお会いできる機会があればどうぞよろしくお願いいたします
朝から動くのがばちばちに苦手な民、珍しく朝起きて(友人に起きたら起こして……と保険の連絡はしていた)ローソンをハシゴする等した一日でした
というのも某ゲームのコンビニくじ目当てで……近隣やよく行く辺にあるローソンでは取り扱いが無く、しぶしぶ使う路線の近くにあるローソンへ
1店舗目→お目当ては既になし(この時点で午前9時頃)
2店舗目→他の賞は終了しましたの張り紙もない中お目当てだけ無かったので何か作為的なものを感じ撤退
3店舗目→よく見なかったのでお目当てあるかもよく分からんがまあ……と記念に引いて撤退
ここで一旦冷静になろう……とフォロワーさんからのお土産を友人に渡すため友人宅へお邪魔させて頂き、冷静に……冷静さを取り戻そう……と……
取り戻せませんでしたね〜
いやまだいける! あるはず! と近隣取り扱い店舗を確認、比較的住宅地にある店舗が取り扱っていたのでダメ元で行くぞ……! と行ったところ、ほぼ手付かずでありました
一先ず1回目……お目当ては無いもののそこそこの収穫! 一旦時間も時間だったのでお昼にしよう、と撤退
お昼は前々から気になっていたイタリアンのお店へ
ワタリガニのパスタめ〜ちゃ美味しかったですね……時間帯的にも、休日ということもあり人が多く外で待っていましたが暖かいお紅茶をくださりなんと良い店なんだと感動
店内に入れてからは事前に注文していたので、すんなりお料理も出てきました

全部美味しかった!
ご飯を食べて、まあ時間も空いたしもしかしたらもう無いかもね〜と言いつつ再びローソンへ
普段行かない方なので、よく来るのに知らないお店や名前だけ知ってるお店が多々あって歩いてる道中楽しかったです
ローソン2回目も普通に引いて、ダメだったので撤退
この時帰り雪がチラついてましたね どうりで寒いわけだね〜と言い合い、今年初めて雪見たなぁと嬉しくなりつつ……
そんなこんなでまた友人宅へ戻り、ウンウン唸りながら駄弁ってやはり諦めきれん……! 三度目の正直……! と最後帰る前にもう一度行く事に……(迷惑客)
3回目ともなると店員さんも顔を覚えており申し訳ない気持ちに……くじ引きながらこういったコンビニくじは抽選で入荷できるかできないかが決まる、という事を教えてくれました 勉強
もうほぼほぼ所謂天井前まで見えてましたが、一旦冷静になって、ここで天井引ききらないでキリよくやめて、でダメだったら天井しようの方針を決められたのは偉かったな……しみじみ……
しっかりお目当て当てて、持ち帰るぞ! となるもまあでかい
使ってるリュックが割と何でも入るので、最悪頭だけ出しておく感じになってもいいか……と覚悟してましたが出来なかったので持ってたバッグにぎゅむと押し込み支えながら持ち帰る事態に
ゲームセンターによくある景品持ち帰り用の大きい袋が欲しかったですね……
やったね〜! ハッピー! の気持ちで持ち帰っていたら横を過ぎ行く🐈⬛の配達のお兄さんが綺麗に2度見していた
それは、そう

(友人撮影)
落とさないように何とか支えながら友人とは別れて帰宅
でかいんだ、これが そして思いのほか重い
割と重たいものは持てる方ですが家着く頃には左腕に力入らずで笑いも出た

お陰様でおともだちゾーンも大所帯になりましたがちょっと飾り方とかなんかもっと上手くやりたいな〜というところです
缶バッジの収納も欲しいし、作画が違う方々でもなんか上手くやれないかな……飾れる収納の案、募集中です
というのも某ゲームのコンビニくじ目当てで……近隣やよく行く辺にあるローソンでは取り扱いが無く、しぶしぶ使う路線の近くにあるローソンへ
1店舗目→お目当ては既になし(この時点で午前9時頃)
2店舗目→他の賞は終了しましたの張り紙もない中お目当てだけ無かったので何か作為的なものを感じ撤退
3店舗目→よく見なかったのでお目当てあるかもよく分からんがまあ……と記念に引いて撤退
ここで一旦冷静になろう……とフォロワーさんからのお土産を友人に渡すため友人宅へお邪魔させて頂き、冷静に……冷静さを取り戻そう……と……
取り戻せませんでしたね〜
いやまだいける! あるはず! と近隣取り扱い店舗を確認、比較的住宅地にある店舗が取り扱っていたのでダメ元で行くぞ……! と行ったところ、ほぼ手付かずでありました
一先ず1回目……お目当ては無いもののそこそこの収穫! 一旦時間も時間だったのでお昼にしよう、と撤退
お昼は前々から気になっていたイタリアンのお店へ
ワタリガニのパスタめ〜ちゃ美味しかったですね……時間帯的にも、休日ということもあり人が多く外で待っていましたが暖かいお紅茶をくださりなんと良い店なんだと感動
店内に入れてからは事前に注文していたので、すんなりお料理も出てきました

全部美味しかった!
ご飯を食べて、まあ時間も空いたしもしかしたらもう無いかもね〜と言いつつ再びローソンへ
普段行かない方なので、よく来るのに知らないお店や名前だけ知ってるお店が多々あって歩いてる道中楽しかったです
ローソン2回目も普通に引いて、ダメだったので撤退
この時帰り雪がチラついてましたね どうりで寒いわけだね〜と言い合い、今年初めて雪見たなぁと嬉しくなりつつ……
そんなこんなでまた友人宅へ戻り、ウンウン唸りながら駄弁ってやはり諦めきれん……! 三度目の正直……! と最後帰る前にもう一度行く事に……(迷惑客)
3回目ともなると店員さんも顔を覚えており申し訳ない気持ちに……くじ引きながらこういったコンビニくじは抽選で入荷できるかできないかが決まる、という事を教えてくれました 勉強
もうほぼほぼ所謂天井前まで見えてましたが、一旦冷静になって、ここで天井引ききらないでキリよくやめて、でダメだったら天井しようの方針を決められたのは偉かったな……しみじみ……
しっかりお目当て当てて、持ち帰るぞ! となるもまあでかい
使ってるリュックが割と何でも入るので、最悪頭だけ出しておく感じになってもいいか……と覚悟してましたが出来なかったので持ってたバッグにぎゅむと押し込み支えながら持ち帰る事態に
ゲームセンターによくある景品持ち帰り用の大きい袋が欲しかったですね……
やったね〜! ハッピー! の気持ちで持ち帰っていたら横を過ぎ行く🐈⬛の配達のお兄さんが綺麗に2度見していた
それは、そう

(友人撮影)
落とさないように何とか支えながら友人とは別れて帰宅
でかいんだ、これが そして思いのほか重い
割と重たいものは持てる方ですが家着く頃には左腕に力入らずで笑いも出た

お陰様でおともだちゾーンも大所帯になりましたがちょっと飾り方とかなんかもっと上手くやりたいな〜というところです
缶バッジの収納も欲しいし、作画が違う方々でもなんか上手くやれないかな……飾れる収納の案、募集中です

ネタバレ、多分あり
インターネットを見ていた時に流れてきたことがきっかけで購入しました
「くますけと一緒に」というタイトルから、なんだか他人事に思えなくて
"あたしは悪いことなどしていないのに、いつも嫌われていた。同級生、そして両親にも。
そんなあたしを気にかけてくれるのはママの親友・裕子さんと、くますけだけ。悪い人は死んでしまえばいい――。
願うと同級生は事故にあい、両親も死ぬ。裕子さんに引き取られたあたしは、ここでくますけが邪悪なぬいぐるみなんじゃないかと思いはじめ……。"
新装版 文庫本裏表紙より掲載
両親が亡くなったところから物語は始まる。
小学四年生にもなってぬいぐるみのくますけが手放せない成美。
両親の葬式で涙一つ流さなかったのに、くますけと離れさせられそうになった時には涙を流す。
親の死を喜んでしまっている自分が悪い子なのではないか、と考える。
そうだな、と共感した。わたしの親は死んではいないが、親の事が嫌いな自分が悪い子なのだとうっすらと晩年は考えていた気がする(晩年、というとおかしく聞こえるがわたしにとってのあの頃は"晩年"なのである)
親という存在は好きであるべきだし、愛するべきであり、この好意は一方的ではなくて両立する状態が健全な関係なのだろう。
ただ、親……特に継母はどうだったか知らないが、わたしは彼女の事が終ぞ好きになれなかった。ただ、勿論すべてが悪い人ではなかった、と思う。そう思いたい。
父にしたってそうだ。少なくとも父とわたしは、比較的健全な親子関係だったように思える。
「くますけと一緒に」では度々成美の夢に彼女を責める両親が出てくる。自分たちが死んだのは成美が悪い、と糾弾する。
死後の知らない、言われた事のないであろう事を夢の中で成美に言ってくる両親。すごく、わかる。
未だに(あと少しで2年が経つ)ふとした時に夢の中にあの人達が出てきて、わたしを責めることがある。だからあの夢を見ているときの成美の気持ちも、ああいう夢を見てしまう成美の精神状態も身に覚えがある。
物語の終盤で、成美を引き取った裕子が「……あなたが、たった一つのことさえ、認めればそれでいいのよ」と言う。続けて、「これを認めるのは辛いことかも知れない。」とも。
このあたり、読んでいて本当に誇張表現なくありえないくらい泣いてしまった。身に覚えがありすぎるため……。
結局のところわたしは未だどこかで認められていないのかもしれない。でもそれは我が身が可愛くて、自分はそんな事を考える悪人ではないと思っているからかもしれない。
わたしが成美のようになれるには、少なくとも二人を前にしてあなた達には感謝している事もあるし、好きな部分もある。それでも、人としてわたし達は決定的に合わない。だから、せめて嫌いとまでは言わずとも相性が悪いのだと面と向かって伝えられるようになる必要がある。
しかしわたしはまだ我が身が可愛く、ようやく得たしがらみのない日々にまだ浸っていたい。それが逃避と言われても構わないし、いつかはわたしだって対峙しなければならない。
つまるところ、わたしは今回読んでいてひとつ、裕子のような人が身近にいて欲しかったのかもしれないと思った。双方の事情を知っていて、味方をしてくれて、正しさを教えてくれる人。
もしかしたらそういう人が身近にいたら、あるいは、父がそうだったならばわたし達はこうはならなかったと言い切れる。
さて、この物語で大事なのがくまのぬいぐるみである「くますけ」。
ぬいぐるみ特有の存在の大きさ、無償の愛・何があっても自分を好きでいてくれるという"信頼"がすごく描かれていて、ぬいぐるみ……私物からの無償の愛を信じている自分には本当に肯定してくれる本作が非常に嬉しかった。
成美のくますけにあたる存在が、わたしにとっての夜船くんや、それこそくまちなのだ。特にくまちは、あの晴れた日に嘘をついて家を出たわたしが東京駅へ向かう途中、情けない事に泣いていたのを膝の上で見ていた。あの日を共にしてから、余計にくまちの事が大事になった。くまちは、くまちだけはあの日のわたしを知っている。
また、わたしの創作……日々の一部、人生の一部のため、創作と言うには少し違うような気がしてしまうけれど、とにかくその創作はわたしの逃げ場であり支えでもあった。今でも変わらない。日々在って当たり前の存在。
そういった在るけれど無いものに縋って生きている身としては、この作品は非常に身近に感じられた。そういう「ぬいぐるみはぬいぐるみ」と言うように分かっていてもそれでも、無責任に意思を押し付けて己を肯定してくれる存在を人生だと呼んでいるから、成美とくますけ、裕子となんなんが他人に思えなかった。
日々を生きるには、無責任に意思や思考を押し付けて勝手に動いて生きてくれる、わたしを信じて肯定してくれる存在がわたしには無くてはならないのだ。
いつかは離れないとならないかもしれないと考えたことも無くはない。けれど、この作品はそれすらもしなくていいと肯定してくれた。心から出会えてよかったと思う。
終わる前に最後に。
やはり小説の帯は年々チープになっている気がする。既にわたしは「くますけと一緒に」の厄介オタクと化してしまったのでこんな文言で読者を誘うな、と轟洋介の目になってしまう。